後書きなんだか解説なんだか
というわけで、『心〜』シリーズ第一章『退く心』をお送りしました。
作者・簾屋が余りにも趣味に走りすぎてしまったため、文中ややこしい箇所が多々あるかと思いますので、ここでそのフォローをいくつか入れたいと思います。
原作ゲームに登場するキャラクターのフルネームについて。
これは全て、簾屋の創作です。家名を登場させたのは、
簾屋「軍といったら、まぁ指揮系統の問題上、階級があって当然。階級の方は後で考えるとして……やっぱり、『家名‐階級』っていう呼び方の方が自然だなー」
……というわけです(どういうわけだ)。
よって、原作ゲームに登場するキャラクターの内、『心〜』シリーズに頻繁に登場して話に大きく関わってくるキャラには、家名をつけました。ビュウはアソル、マテライトはエシュロン、センダックはマコーニー、トゥルースはソルベリーです。この他にも数名の家名が決定していますが、それは、今後作中で明らかにします。
フルネームといえば、もう一つ。
グランベロス側のキャラの名前について、あんな風にややこしい名前になってしまったのには一応わけがあります。
けれどこれについては、この場での説明は割愛します。
グランベロスのキャラが『心〜』にもっと関わるようになる、二章以降に解説する事にします。
カーナ軍の階級について。
これも、簾屋の完全なオリジナルです。わざわざ登場させたのは、ビュウたちが曲がりなりにも軍属である以上、階級という形で上下関係がはっきりしていなければならないから(上記の通り、指揮系統の問題上)。
『心〜』シリーズは戦記という側面が強いですしね。
オレルス世界に既存の階級(大佐とか少尉とか)を持ち込むつもりはなかったので、古典の便覧に載っていた平安時代の役職やら階級やらをモデルに考えました。
具体的にどんな感じか、というと、次の通り。
将官:元帥(非必置職)、将軍、将補
士官:佐長、佐士、尉長、尉士
下士官:准士、曹長、曹士、曹兵
兵卒:兵長、上級兵、下級兵
元帥が非必置になっているのは、カーナ軍の統帥権の所在と関係があるのですが、長くなる上にマニアックな話になるので、やめます。
『退く心』に登場した原作ゲーム登場のキャラを上の階級に当てはめると、一番位が高いのが、将補のマテライト。次に佐長のビュウ。ミストは、作中では書きませんでしたが尉長です。
ビュウの舎弟トリオであるラッシュ、トゥルース、ビッケバッケの三人ですが、この中で士官なのはトゥルースだけです。ラッシュは曹士、ビッケバッケに至っては上級兵のままです。
今回登場しなかったバルクレイや、レーヴェ、フルンゼにも一応階級はあります。ただし、センダックやウィザード、プリーストたちにはありません。宮廷魔道士団は武官ではなく文官であり、戦時下における非常事態として一時的に軍役に就いているだけだからです。
作中に登場した、簾屋のオリジナルキャラについて。
ナルス、アルネ、サウルの三人は、どちらかといえば過去編の登場キャラです。詳細については、『心〜』シリーズにおける次回の登場時、あるいは過去編において明らかにします。
ビュウの個人資産についてはまたいずれ。
最後に、一章の内容について。
何で、原作ゲームではカーナ王の首が落とされただけで終わった序章をこんなにも長い話にしたか、というのには、一応理由があります。
疑問だったのです。
主君の首が落とされ、その後、ビュウたちはどうやって王城から、そしてカーナから脱出したか。
ビュウは戦竜隊隊長、マテライトは騎士団の要職、センダックは政治参謀です。そんな連中を、グランベロスがあっさりと見逃すでしょうか?
まず間違いなく、その場で拘束、後に尋問、です。
けれどそこで拘束させると、場合によってはその後グランベロス本国に送られて戦争法廷に立たされる、とかそういう可能性があります。戦犯には極刑が順当でしょうから、今後の展開を考えるとそれは出来ません。
となると、後の反乱軍のメンバーを何とか上手く脱出させなければなりません。ではどうやって?
『退く心』の4〜5話が、それに対する私なりの答えです。
けれど、そのおかげでビュウが大分酷い事をしています。特にサウザーファンの方、本当にごめんなさい。あと、ビュウは人の弱みにつけ込んだり脅したり煽動したり金に物を言わせたりしない、と思っていらっしゃる方も、ごめんなさい。
うちのビュウは、そういう人なんです。
策士で煽動家なんです。
一般的に言われる「汚い事」を平気でやる人なんです。
おかげで書いててすごく楽しかったです。
でも、こんなのは序の口です。
ビュウの本性が発揮されるのは、まだこれからです。
今回だけで「イメージが違う!」とお怒りの方は、今後の閲覧を検討される事をお勧めします。
とにかく、これで書きたかったシーンの一つ、カーナ攻防戦〜カーナ脱出は、書き上げました。
書きたいシーンはあと五つ。
どうにか書いていけるよう頑張ります。
最後に。
『退く心』で使用した背景の画像は、『竜棲星』様からお借りしました。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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